
を代行しているのと同じで、海外の演奏家に対して契約を結んで、ある一定の期間、つまり日本に滞在する期間、事務の代行を引き受けるという形、つまり、音楽事務所がエージェントをするという形になるわけですね。 音楽事務所は、そういった形で契約をしているアーチストたちを、オーケストラとかオペラなどの芸術団体が行っております自主公演に売り込みをするわけです。もちろん文化施設、ホールが行います自主公演に対しても、アーチストの売り込みを盛んに行うわけです。もちろん自分たちのアーチストを使って自分で直接的に公演を行うということもあります。 公演に対して、企業協賛というのがそこに書いてあります。この企業協賛といいますのは、広告宣伝的なメリットを企業がその公演に対して認めますと、それに対して協賛金を出してくれるという形があるわけです。これはひところ非常に盛んで、いわゆる冠公演なんていうのがありました。例えば日立コンサートだとか東芝コンサートなんていうのがその例で、ああいうふうに冠をつける場合の協賛ということになりますと、相当たくさんお金が出ます。協賛金というのは、その公演そのものをどういうふうに広告宣伝に使ってくれても構わないよという、つまり一種の権利の契約でございますから、それはいろいろな使い方をされるわけですけれども、コンサートをやる方になってみれば、必要な経費は全部賄えていて、それにプラスアルファで協賛金というのが入ってくるわけですから、非常にありがたかったわけです。バブルの時代にはたくさんありまして、日本ではかなりのお金が動いたわけですが、バブルがはじけましてから、最近はこの企業の協賛の傾向というのは非常に少なくなってきているというふうに聞いております。 こういう形で演奏会が行われまして、切符の販売がされて、聴衆のもとに切符が行って、聴衆が音楽会に集まってくるというような構図になっているわけです。 ビジネスゾーンの方でやっております音楽事務所、マネージャー会社は、株式会社で営利事業を行って、利潤を上げているわけなんですが、実はその前の時点で、先ほども申し上げましたように、文化ゾーンで芸術団体や文化施設がプールしたお金によって潤っているということが当然あるわけなのです。そこら辺のところをある程度認識をしていただかなければいけない。我々はよくマネージャー会社なんかにそういうことを申し上げているんです。つまり資本主義というのは、いわば最高利潤を追求するところにその精神があるわけですけれども、実際にマネージメントで、特にクラシック音楽のマネージメントを扱って商売をしているマネージャー会社は、そこにおのずとクラシック音楽の普及という使
前ページ 目次へ 次ページ
|

|